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start [2013/12/03 22:48]
hirosi [放射線の測定]
start [2013/12/04 02:41] (現在)
hirosi [測定方法]
ライン 61: ライン 61:
 \\ \\
 \\ \\
-{{  ​dsc_0270.jpg?​300*200}}\\+{{  ​s_img_0486.jpg?​300*200}}\\
 光電子増倍管を動作させるためには高い電圧安定度を持った高電圧源が必要となるが、\\ 光電子増倍管を動作させるためには高い電圧安定度を持った高電圧源が必要となるが、\\
 その高電圧は入手の容易さから、使い捨てカメラのフラッシュ基板を改造した物を使用した。\\ その高電圧は入手の容易さから、使い捨てカメラのフラッシュ基板を改造した物を使用した。\\
ライン 68: ライン 68:
 その出力をコッククロフトウォルトン回路で4倍圧整流して使用している。\\ その出力をコッククロフトウォルトン回路で4倍圧整流して使用している。\\
 \\ \\
 +更に、光電子増倍管からの出力電圧はそのままパソコンに取り込める程の\\
 +電圧ではないため、一旦増倍管からの出力をオペアンプを使い増幅し、\\
 +最終的にマイコンに信号を入れ、USBの信号形式に変換しパソコンに入力している。\\
 +マイコンからは1秒毎に1秒間に放射線が何発入ったかをパソコンに送信し、\\
 +パソコン側でそれを受信し、記録する事により、放射線量の記録システムを構築している。\\
 \\ \\
 ======放射線の測定====== ======放射線の測定======
-校庭に設置した長さ3m、奥行き2m、深さ0.75mの簡易プールに水を張り、シンチレータを搭載した潜水機でガンマ線の測定を行った。 +====測定方法==== 
-プールが浅いため、潜水艦は水面ぎりぎりに沈んでいる状態に調整し、目標のブイを目指して直線的に航行させた。図中の丸印はブイを黒四角は機体本体を、四角は放射性物質を表している。 +{{experiment.jpg?​300*200 ​ }}\\ 
-航行している最中は自作したデータロガーにより自動的にデータを取得し続けた。プールが狭いために旋回しながら測定することは困難であったため、直線上のデータを取得した後、ブイを手で30cm移動させ、潜水機を手でスタートラインに移動させ再度測定する捜査を6回行った。 +実際に水中で放射線の測定が可能かどうかを確認するために、\\ 
-放射線源として、3cm×3cm厚さ1cmの大きさのセシウム含有物を水底に置いた。また、シンチレータは水底から1cmくらいのところに到達できるように潜水機本体に取り付けた。 +校庭に設置した長さ3m、奥行き2m、深さ0.75mの簡易プールに水を張り、\\ 
 +シンチレータを搭載した潜水機でガンマ線の測定を行った。\\ 
 +プールが浅いため、潜水艦は水面ぎりぎりに沈んでいる状態に調整し、\\ 
 +目標のブイを目指して直線的に航行させた。\\ 
 +図中の丸印はブイを黒四角は機体本体を、四角は放射性物質を表している。\\ 
 +航行している最中は自作したデータロガーにより自動的にデータを取得し続けた。\\ 
 +\\ 
 +{{pool.png?​300*200 ​ }}\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +プールが狭いために旋回しながら測定することは困難であったため、\\ 
 +直線上のデータを取得した後、ブイを手で30cm移動させ、\\ 
 +潜水機を手でスタートラインに移動させ再度測定する操作を6回行った。\\ 
 +\\ 
 +放射線源として、3cm×3cm厚さ1cmの大きさのセシウム含有物を水底に置いた。\\ 
 +また、シンチレータは水底から1cmくらいのところに到達できるように潜水機本体に取り付けた。\\ 
 +====結果==== 
 +{{result_excel.jpg?​300*200 ​ }}\\ 
 +結果は図の通りであった。\\ 
 +グラフからも見て取れるが、明らかに線源が有るであろう箇所で\\ 
 +カウンターの計数が最大になっている。\\ 
 +この事から水中での放射線測定が十分現状のシステムで可能で有ることを示している。\\ 
 +\\ 
 +また、線源があるであろう箇所から2mも離れれば、その計数は\\ 
 +バックグランドとほぼ同程度であり、\\ 
 +湖中に沈んでいる放射性物質の位置や分布を測定するためには\\ 
 +船上に計測器を置いて計測する方法ではなく、\\ 
 +水中に計測器を沈めて計測する方法を取る方が良い事も分かる。\\ 
 +\\ 
 +{{result_graph.png?​300*200 ​ }}\\ 
 +\\ 
 +======フィールドでの試験====== 
 +{{youtube>​5GPExn27O8E?​medium ​ }} 
 +今までは校庭に設置したプールや、JAMSTECのプールなど、人工的に整えられた環境でのみテストをしてきたが、\\ 
 +WAQUAの最終目標の水中は、決してそのような人工的に用意された水中環境ではない。\\ 
 +\\ 
 +そこで実際に学校近くの川にWAQUAを持ち込み、実環境でWAQUAの船体に問題は無いか、\\ 
 +画像認識を用いた自律航行は実環境で使えるか、WAQUAは実際に調査が可能か、のテストを行った。\\ 
 +\\ 
 +最初のテストではWAQUAに赤い標的を認識させ、それに向かって自律航行し、\\ 
 +標的に到達し次第ダイブスラスタで浮上するというプログラムを組んだ。\\ 
 +その結果がこの動画である。\\ 
 +\\ 
 +これによりWAQUAは濁った水中でも、ある程度まで近づけなければならないが\\ 
 +カメラを使った自律航行が可能であることが実証された。\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +{{youtube>​JzovQrlJK3U?​medium ​ }} 
 +次に、先のプログラムから、「標的に到着次第浮上する」という部分を取り払い、\\ 
 +赤い標的を認識し、追いかけ続けるというプログラムを組んで実行した。\\ 
 +\\ 
 +WAQUAはやはりある程度まで近づかなければ標的を認識しないが、\\ 
 +一度認識してしまえばその標的を追跡する事ができた。\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +\\ 
 +{{youtube>​pYywz1C2rdI?​medium ​ }} 
 +テスト実施後WAQUAを回収し、WAQUAの動作をWAQUA側から見た動画がこの動画である。\\ 
 +\\ 
 +カメラのフォーカスがアクリル窓に合っているためにWAQUAから\\ 
 +遠くの標的が見えづらく、標的近くまで接近しなければ標的を認識できていないが、\\ 
 +一度標的を発見すれば確実に自立制御を行い、標的まで航行している事が分かる。\\ 
 +\\ 
 +以上のテストを通してWAQUAには致命的な損傷は無く、\\ 
 +実際にフィールドに出して観測を行わせることが可能な機体である事が実証された。\\ 
 +\\
start.1386078487.txt.gz · 最終更新: 2013/12/03 22:48 by hirosi